採用候補者の調査は何が禁じられているか|費用より先に確認すること

カテゴリ: 浮気以外の調査

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目次
  1. 収集してはならない情報
  2. 収集そのものに枠がある
  3. 探偵に頼んでも取得できない
  4. では何が確認できるのか
  5. 判断に迷う場合
  6. 費用の目安

採用のための調査には、費用の話より先に確認すべき制約があります。

調べてよい範囲が、法律と告示で定められているためです。

ここを飛ばすと、就職差別につながる調査を発注することになります。この記事は、その範囲を扱います。

収集してはならない情報

厚生労働省の労働局が示している指針(平成11年労働省告示第141号)は、次の個人情報を収集してはならないとしています。

内容
人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
思想及び信条
労働組合への加入状況

本籍が明示されています。

したがって、いわゆる身元調査として本籍を確認する形は、この指針に反することになります。

収集そのものに枠がある

職業安定法第5条の5第1項は、求職者等の個人情報について次のように定めています。

その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない

軸は3つです。

  1. 必要な範囲内であること
  2. 目的を明らかにして収集すること
  3. 収集の目的の範囲内で保管・使用すること

「念のため調べておく」という形は、1番目と2番目を満たしません。

探偵に頼んでも取得できない

「専門の業者に頼めば調べられるのでは」と考える場合があります。

探偵業法第9条は、違法な目的での調査依頼を受託してはならないと定めています。

そして第7条により、依頼者は調査結果を違法な差別的取扱いのために用いない旨の書面を交付します。

この条文に「違法な差別的取扱い」という語があることに注目してください。採用の場面を含む想定が、条文の側に置かれています。

したがって、禁じられている情報は、依頼しても取得できません。

調べてよい範囲を確認してから相談する

では何が確認できるのか

制約の範囲内で、確認が考えられるものもあります。

業務の目的の達成に必要な範囲内であり、目的を明らかにして収集する場合です。

  • 申告された職歴が事実かどうか
  • 申告された資格を保有しているか
  • 業務に直接関わる法令上の要件を満たしているか

いずれも、本人に説明できる目的があります。

一方、家族の状況、住まいの様子、交友関係といった項目は、業務の目的との関係を説明しにくくなります。

判断に迷う場合

採用の手続きは、企業の規模や職種によって考慮すべき点が変わります。

都道府県労働局またはハローワークの窓口で確認できます。 公正な採用選考についての相談を受け付けています。

調査を発注する前に、この確認をしてください。 発注してから範囲外だと分かると、費用が無駄になるだけでなく、収集してしまった情報の扱いが問題になります。

費用の目安

範囲を確認したうえで依頼する場合の目安です。

原一探偵事務所は、採用候補者調査について20万〜60万円という記載をしています(2026年8月6日取得)。

ただし、この金額は調べる範囲によって変わります。 制約の範囲内で何を確認するのかが決まらないと、見積もりも定まりません。

素行調査全般の費用はこちらの記事に、依頼できる範囲の考え方は素行調査で分かることにまとめています。

よくある質問

経歴が本当かどうかを確かめるのは問題ですか。

業務の目的の達成に必要な範囲内であれば、確認は考えられます。職業安定法第5条の5は、目的を明らかにして収集し、収集の目的の範囲内で保管・使用することを求めています。何のために確認するのかを説明できる形にしてください。

本籍を確認してはいけないのですか。

指針(平成11年労働省告示第141号)は、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項を収集してはならないとしています。本籍はここに明示されています。

探偵に頼めば調べてもらえますか。

禁じられている情報は、依頼しても取得できません。探偵業法第9条は、違法な目的での調査依頼を受託してはならないと定めています。差別につながる調査は、受託されない依頼にあたります。

SNSを見るのはどうですか。

公開されている情報を見ること自体を禁じる規定は見当たりませんが、そこから思想信条や社会的身分に関わる情報を収集し、選考に使えば、指針の趣旨に反することになります。何を見るかより、何を選考の材料にするかが問われます。

法律上の注意

この記事は制約の説明であり、個別の採用手続きについての助言ではありません。採用選考の進め方については、都道府県労働局またはハローワークの窓口へご確認ください。

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