探偵の契約はクーリング・オフできるのか|決まるのは契約した場所です

カテゴリ: 法律と探偵業法

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目次
  1. まず、よくある誤解を1つ外します
  2. では何で決まるのか
  3. 自分のケースがどちらか
  4. 8日を過ぎている場合
  5. 契約する前に確認しておくこと

契約した場所によって、結論が変わります。

自宅や喫茶店で契約した場合は、法定書面を受け取った日から数えて8日以内にクーリング・オフができる可能性があります。自分から事務所へ出向いて契約した場合は、この枠組みは使えません。

「探偵契約はクーリング・オフできる」とも「できない」とも書けないのは、このためです。順に見ていきます。

まず、よくある誤解を1つ外します

長期・高額のサービスには特定継続的役務提供という枠組みがあり、契約書面を受け取ってから8日間のクーリング・オフが認められています。

この枠組みに、調査業は含まれていません。

消費者庁が挙げている対象は、次の7つです。

役務 期間の要件 金額の要件
エステティック 1月超 5万円超
美容医療 1月超 5万円超
語学教室 2月超 5万円超
家庭教師 2月超 5万円超
学習塾 2月超 5万円超
パソコン教室 2月超 5万円超
結婚相手紹介サービス 2月超 5万円超

探偵業・調査業は、この一覧のどこにもありません。

数十万円の契約であっても、期間が数か月にわたっても、この枠組みには入りません。

では何で決まるのか

残るのは、訪問販売という枠組みです。

消費者庁は、訪問販売を次のように説明しています。

販売業者又は役務提供事業者が、営業所等以外の場所(例えば、消費者の自宅)で契約を締結等して行う商品、特定権利の販売又は役務の提供

軸は「どこで契約したか」です。 何を契約したかではありません。

そして、これに当たる場合は、法定書面を受け取った日から数えて8日以内にクーリング・オフができます。

自分のケースがどちらか

契約した場所ごとに整理すると、次のようになります。

契約した場所・経緯 訪問販売に当たるか
自分から事務所へ出向いて契約した 当たらない
自宅に来てもらって契約した 当たり得る
喫茶店やホテルのロビーで契約した 当たり得る
販売目的を告げられずに呼び出され、事務所で契約した 当たり得る

4行目に注目してください。

消費者庁は、路上で呼び止めて営業所に同行させる形や、電話やSNSで販売目的を明示せずに呼び出す形も訪問販売に含まれると説明しています。

つまり、契約した場所が事務所であっても、そこへ行くことになった経緯によって扱いが変わり得ます。

契約前に条件を確かめてから決める

8日を過ぎている場合

クーリング・オフの期間を過ぎていても、そこで終わりではありません。

まず、契約書の解約条項を確認してください。多くの契約には、中途解約の定めが置かれています。

問題になりやすいのは、そのときに請求される解約料です。

消費者契約法第9条第1項第1号は、解除に伴う損害賠償や違約金の条項のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるものについて、その超える部分を無効としています。

無効になるのは「超える部分」だけで、解約料そのものが消えるわけではありません。ここは正確に押さえてください。

国民生活センターも、解約料の算定について同じ枠組みで説明しています。

契約する前に確認しておくこと

ここまでは、契約した後の話でした。

契約する前であれば、次の3つを確認するだけで、後から迷う場面を減らせます。

  1. どこで契約するのか — 事務所か、それ以外か
  2. 書面をいつ受け取るのか — 期間の起算点になります
  3. 解約の条件 — いつまでに、いくらで解約できるか

3つ目は、探偵業法第8条により契約前に交付される書面の記載事項です。書面で見る項目にまとめています。

迷っている段階で契約を急がせてくる場合は、いったん持ち帰ってかまいません。判断がつかないときは、消費者ホットライン188で相談できます。

よくある質問

喫茶店で説明を受けて、その場で契約書に署名しました。

消費者庁は、訪問販売を営業所等以外の場所で契約を締結等して行う役務の提供と説明しており、喫茶店もこれに含まれ得ます。この場合、法定書面を受け取った日から数えて8日以内であればクーリング・オフができる可能性があります。書面を受け取った日付を確認して、消費者ホットライン188に相談してください。

自分から事務所に行って契約しました。取り消せませんか。

その形は訪問販売に当たらないため、クーリング・オフの枠組みは使えません。ただし、契約書に定められた解約の条件に従って中途解約できる場合があります。また、請求された解約料が高いと感じる場合は、消費者契約法第9条の問題として相談できます。

「無料相談」と言われて呼び出され、その場で契約しました。

消費者庁は、電話やSNSで販売目的を明示せずに消費者を呼び出す形(アポイントメントセールス)も訪問販売に含まれると説明しています。どのように呼び出されたのか、契約の話がいつ出たのかを整理したうえで、消費者ホットライン188へ相談してください。

8日を過ぎてしまいました。もう何もできませんか。

クーリング・オフはできなくなりますが、解約そのものができなくなるわけではありません。契約書の解約条項を確認してください。そのうえで、請求された解約料が事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えていると考えられる場合、その超える部分は消費者契約法第9条第1項第1号により無効とされています。

法律上の注意

この記事は制度の説明であり、ご自身の契約が訪問販売に当たるかどうかの判断ではありません。期限がある手続きのため、迷う場合は消費者ホットライン188または弁護士へ早めにご相談ください。

相談だけでも大丈夫。契約前に書面での説明があります

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