不貞は何回から認められるのか|回数の基準が条文にない理由

カテゴリ: 法律と探偵業法

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目次
  1. 回数が問われているように見える理由
  2. 「1回だけ」と相手が言っている場合
  3. 回数の話が、そのまま結論にならない条文
  4. 数える発想から、狭める発想へ
  5. 調査の区切り方にも関わる

回数の基準は、条文に書かれていません。

民法第770条第1項第1号が定めているのは「配偶者に不貞な行為があったとき」であり、何回以上という要件は置かれていません。

したがって、1回だから当たらない、という条文上の根拠はありません。

それでも「何回必要か」という問いが繰り返し出てくるのには、理由があります。この記事はそこを説明します。

回数が問われているように見える理由

問われているのは回数ではなく、別の説明を排除できるかです。

記録が1点しかない場合、相手には説明の余地が残ります。仕事だった、たまたまだった、その日限りの事情だった。

複数の日にわたる記録は、この説明を立てにくくします。

その結果、外から見ると「回数が多いほど有利」に見えます。しかし効いているのは回数そのものではなく、説明の余地が狭まったことです。

この違いは、実際の場面で効いてきます。同じ日に同じ場面を何度撮っても余地は狭まりませんが、日を変えた記録は狭めます。

「1回だけ」と相手が言っている場合

相談として多いのがこの状況です。

ここで注意してほしいのは、その説明がいつまで続くか分からないことです。

話し合いが金額の段階に進むと、説明が変わることがあります。「1回だけだった」が「そもそも関係はなかった」に変わる形です。

認めている状態が続いている間に、その内容を後から確認できる形にしておけるかどうか。これは弁護士に相談する事柄です。

回数の話が、そのまま結論にならない条文

もう1つ押さえておきたい点があります。

第770条第2項は、第1号の事由がある場合であっても、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができると定めています。

つまり、事由に当たることと、離婚が認められることは別です。

回数を積み上げることが、そのまま結論に直結するわけではありません。

どこまで確かめれば区切れるか相談する

数える発想から、狭める発想へ

実務的に役立つ切り替えがあります。

「何回集めればよいか」ではなく、**「相手のどの説明が残っているか」**で考える形です。

  • 仕事だったという説明 → 時間帯と滞在の長さが残っているか
  • 友人だったという説明 → 同じ組み合わせの反復があるか
  • たまたまだったという説明 → 別の日の記録があるか

残っている説明の数だけ、足りない記録があります。

この形にすると、あといくつ必要なのかが自分で見えるようになります。回数の目安を探して検索を繰り返すより、早く進みます。

調査の区切り方にも関わる

依頼する場合、この考え方はそのまま費用に関わります。

回数で区切ると、いつ終わるのかが決まりません。説明の余地が狭まった時点が区切りになります。

契約前に交付される書面には、調査の期間と稼働時間が記載されます。どういう状態になったら終わりと考えているのかを、その場で確認してください。

書面で見る項目を先に把握しておくと、この確認がしやすくなります。

よくある質問

1回だけだと相手が認めています。それでも請求できますか。

民法第770条第1項第1号に回数の要件は置かれていないため、1回だから当たらないという条文上の根拠はありません。ただし、請求が認められるか、金額がどうなるかは別の話で、期間や経緯を含めた事情が考慮されます。見通しは弁護士にご確認ください。

相手が認めているなら、証拠は要りませんか。

認めている状態が続くとは限りません。話し合いが進んで金額の話になった段階で、説明が変わることがあります。認めている間に、その内容を書面など後から確認できる形にしておけるかを、弁護士に相談してください。

身体の関係がなければ不貞にはならないのですか。

条文は「不貞な行為」としか定めておらず、定義を置いていません。そのため、どこまでを含むかは裁判所の判断によります。なお、第1項第4号には「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という別の事由もあります。どの事由で組み立てるかは弁護士の判断領域です。

何回分の記録を集めれば依頼を終えられますか。

回数ではなく、別の説明を排除できる状態になったかどうかで判断されます。そのため、調査の終わりも回数では決まりません。契約前の書面には調査の期間や稼働時間が記載されるので、どこで区切るのかをその場で確認してください。

法律上の注意

この記事は回数の基準を保証するものではありません。条文に何が書かれているかと、実際に何が問われるかを示すものです。ご自身のケースの見通しは弁護士にご確認ください。

相談だけでも大丈夫。契約前に書面での説明があります

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