アプリの履歴は証拠になるのか|消える前提で考える必要があります

カテゴリ: 法律と探偵業法

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目次
  1. 消えるまでの流れ
  2. 消えても残るもの
  3. 取得の方法で扱いが変わる
  4. 履歴だけでは届かない部分
  5. 運営会社に問い合わせる場合
  6. いま手元にある場合

アプリの履歴が示せるのは、利用していた事実やり取りの内容までです。

そして、この種の記録には固有の弱点があります。消せることです。

紙の書類や、物として存在する記録と違い、アプリの中身は相手の操作ひとつで無くなります。この前提で考える必要があります。

消えるまでの流れ

実際には、次の順で起こります。

  1. あなたが見たことに、相手が気づく
  2. やり取りが削除される
  3. アプリがアンインストールされる
  4. 退会してアカウントごと消える

4段目まで進むと、アプリ上の記録は残りません。

しかも、この流れは問い詰めた直後に起きます。 確かめたい気持ちで相手に見せた結果、記録が消えるという形です。

したがって、見つけた段階で相手に見せないことが、そのまま記録を守ることになります。

消えても残るもの

一方で、アプリの外に残るものがあります。

残る場所 何が分かるか
クレジットカードの明細 課金した日付と金額
アプリストアの請求履歴 同上
家計の引き落とし記録 継続的に課金していた期間

課金の記録は、家計側に残ります。 相手がアプリを消しても、こちらの家計簿や明細からは消えません。

これは、利用していた時期を示す手がかりになります。

ただし、すでに手元にあるものを見ることと、新たに取得しに行くことは分けて考えてください。 相手名義の明細を取り寄せる行為は、別の問題を生みます。

取得の方法で扱いが変わる

内容とは別に、どうやって手に入れたかが問われる場面があります。

目の前の端末を操作して見た場合と、自分の端末から相手のアカウントにログインした場合では、扱う法律が変わります。

後者は不正アクセス禁止法第3条に該当し得ます。罰則は第11条により3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。

同じ画面を見ていても、どこから見たかで変わります。 詳しくはアカウントにログインする場合で扱っています。

手元の記録で足りるか聞いてみる

履歴だけでは届かない部分

やり取りの内容が親密であっても、示せる範囲には限りがあります。

民法第770条第1項第1号が挙げているのは「不貞な行為」であり、条文に定義はありません。

やり取りの文面から、会っていたかどうかまでは読み取れません。

そのため、履歴は単独で戦う材料というより、他の記録を意味づける材料になります。約束した日時があれば、その日時の行動と結び付けられる、という形です。

この構造はLINEのやり取りだけで足りるのかと同じです。

運営会社に問い合わせる場合

「アプリの会社に聞けば分かるのでは」と考える人がいます。

個人が問い合わせて開示されることは、通常ありません。

一方、弁護士に依頼したうえで、弁護士法第23条の2にもとづく弁護士会照会という制度を使える場合があります。

弁護士会が必要性と相当性を審査したうえで、弁護士会会長名で照会し、照会先には原則として回答義務があります。依頼者が直接使える制度ではありません。

詳しくは探偵以外に頼めるのかで扱っています。

いま手元にある場合

やるべきことは3つです。

  1. 手を加えない — 撮り直し、切り出し、明るさの調整をしない
  2. 相手に見せない — 見せた時点で消される
  3. 課金の記録を確認する — 家計側に残っているものを見る

3番目は、アプリが消えた後でもできます。 先に急ぐ必要はありません。

そのうえで、会っていたかどうかまで確かめる必要があるなら、外から確認する方法に切り替える段階になります。費用の目安はこちらの記事で確認できます。

よくある質問

スクリーンショットを撮っておけば大丈夫ですか。

手元に残るという意味ではそうですが、撮り方によって説明の求められ方が変わります。加工していないことを説明できる状態にしておいてください。撮り直しや必要な部分だけの切り出しは避けてください。

相手が退会したら、もう分かりませんか。

アプリ上の記録は消えます。ただし、課金の記録は家計側に残ることがあります。クレジットカードの明細やアプリストアの請求履歴から、利用していた時期を示せる場合があります。

アプリの運営会社に問い合わせれば教えてもらえますか。

個人が問い合わせて開示されることは通常ありません。弁護士に依頼したうえで、弁護士法第23条の2にもとづく弁護士会照会という制度を使える場合があります。弁護士会が必要性と相当性を審査したうえで照会する仕組みです。

履歴だけで慰謝料を請求できますか。

履歴が示せるのは、利用の事実とやり取りの内容までです。実際に会っていたかどうかは別に示す必要があります。請求できるかどうかの見通しは弁護士にご確認ください。

法律上の注意

アプリの履歴を取得・復元する方法は掲載していません。この記事が扱うのは、手元にある記録が何を示せるかだけです。相手に見せる前に弁護士へご相談ください。

相談だけでも大丈夫。契約前に書面での説明があります

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