自分で集めた浮気の証拠は使えるのか|足りない理由と違法になり得る行為

カテゴリ: 法律と探偵業法

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目次
  1. 手元の記録が足りないと言われるのはなぜか
  2. 集める過程で法律に触れる可能性がある行為
  3. 「相手のスマホを見る」はどこから問題になるのか
  4. 探偵に依頼すると何が変わるのか
  5. 「調査しない」という選択肢もある
  6. 今日できること

自分で集めた記録が使えるかどうかは、内容集め方で決まります。多くの場合、写真やメッセージのスクリーンショットだけでは足りないと判断され、集め方によっては、あなた自身が責任を問われる側になります。

理由は2つに分かれます。1つは、手元にある記録が証明したい事実に届かないこと。もう1つは、集める過程の行為が法律に触れる可能性があることです。

この記事では、その2つを順番に見たうえで、探偵に依頼した場合と何が違うのかを整理します。慰謝料を請求できるか、この記録が証拠になるかという個別の判断は弁護士の業務のため、ここでは扱いません。

手元の記録が足りないと言われるのはなぜか

「ホテルに入っていく写真が1枚ある」「知らない相手とのやり取りが残っている」という状態で、判断がつかなくなる人は多くいます。

問題は、その1枚や1件が、いつ・誰と・どういう関係にあったのかを説明しきれないことです。

同じ日に1回だけ写っている記録と、複数の日にわたって同じ相手と同じ場所へ向かっている記録では、説明できる範囲が変わります。

何をもって不貞があったと認めるかは、最終的に裁判所が判断します。そのため「この写真で足りますか」という質問に答えられるのは弁護士だけで、当サイトを含む情報サイトが断定できることではありません。

ただし、判断を仰ぐ前の段階で確かなことが1つあります。記録が1点しかない場合、その1点の説明力に全部を賭けることになるという事実です。

集める過程で法律に触れる可能性がある行為

ここからは、条文にあたって確認できる範囲の話です。次の行為は、状況によって以下の法律に該当する可能性があります。

行為 該当し得る法律 法定刑
相手の持ち物・車にGPS機器を取り付ける ストーカー規制法 第2条第3項(位置情報無承諾取得等) ストーカー行為に当たる場合、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
承諾なく、相手の位置情報を取得し続ける 同 第2条第3項第1号 同上
別の端末から相手のアカウントにログインする 不正アクセス禁止法 第3条 3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(第11条)
別居中の相手の住居に立ち入る 刑法第130条(住居侵入) 3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金
取り付けのために車体を傷つける 刑法第261条(器物損壊) 3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料

該当する「可能性がある」と書いているのは、条文に要件があるためです。

たとえばストーカー規制法第2条第1項の柱書には、恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的、という要件があります。

配偶者の車にGPSを取り付けた行為がこの要件を満たすかどうかは、事情によって変わります。当てはまると決めつけることも、当てはまらないと安心することも、この記事ではできません。

確実なのは、その判断をあなたが自分で下す立場にはないということです。

「相手のスマホを見る」はどこから問題になるのか

この点は、線引きがはっきりしています。

不正アクセス禁止法第3条が禁じているのは、電気通信回線を通じて他人のID・パスワードを入力し、アクセスの制限を解除する行為です。警察庁の解説でも、この要件が明示されています。

つまり、目の前に置かれた端末のロックを直接解除して画面を見る行為は、この法律の対象外とされています。

一方で、自分の端末から相手のSNSやクラウドサービスにログインする行為は、第3条に該当し得ます。3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。

同じ「スマホを見る」でも、どこから見るかで扱う法律が変わります。そして、対象外だからといって、離婚や慰謝料の話し合いのなかで問題にされないという意味にはなりません。

探偵に依頼すると何が変わるのか

尾行や張込みは、探偵業法第2条が定義する「探偵業務」そのものです。

同法は、探偵業を営もうとする者に対し、営業所ごとに都道府県公安委員会への届出を求めています(第4条)。

つまり、同じ行為でも、届出をした事業者が業務として行う場合と、あなたが個人として行う場合とでは、置かれている位置が違います。

契約の手前にも決まりがあります。第8条は、契約の前に、業者情報・届出をした公安委員会・調査の内容・対価・契約の解除・資料の処分方法などを、書面を交付して説明することを探偵業者に義務づけています。

依頼者の側にも義務があります。第7条により、依頼者は「調査結果を違法な行為のために用いない旨を示す書面」を交付することになります。

この書面を求められないまま契約が進む場合、その事業者は第7条の手順を踏んでいないことになります。 契約前に確認できる、数少ない判断材料の1つです。

調査できる内容か相談してみる

「調査しない」という選択肢もある

調査を勧める記事は多くありますが、全員に必要なわけではありません。

離婚も慰謝料の請求も考えていない場合、証拠がなくても困らないことがあります。 調査には費用がかかり、結果が出るまでの数週間から数か月を、疑いを抱えたまま過ごすことにもなります。

一方で、離婚を考えている、相手が事実を認めない、話し合いが進まない、という状況では、事実を示せる資料の有無で進み方が変わります。

いま決められないのであれば、決めなくてかまいません。費用と期間の目安を先に知ってから、決める順番でも遅くありません。

今日できること

読み終わったあとに1つだけやるとしたら、すでに手元にある記録に手を加えず、そのまま残しておくことです。

スクリーンショットを撮り直したり、日付を整理し直したりする必要はありません。撮影日時などの情報が失われることがあります。

そのうえで、次のどちらかに進んでください。慰謝料や離婚の見通しを知りたいなら弁護士へ、事実を確かめる方法と費用を知りたいなら探偵業者へ、という分かれ方になります。

よくある質問

会話を録音するのは問題ないですか。

自分が当事者として参加している会話を録音することと、留守中の部屋や相手の車に録音機を置いてくることは、別の行為として扱われます。前者は一般に問題になりにくい一方、後者は住居侵入や、状況によってはストーカー規制法の対象になる可能性があります。録音済みのデータをどう扱うかも含めて、弁護士に確認してください。

もう写真を撮ってしまいました。取り消せますか。

撮影した事実そのものは取り消せません。ただし、その記録を使うかどうか、使った場合に何が起きるかは、集め方と内容によって変わります。自分で判断して相手に見せる前に、弁護士に相談してください。相手に提示した時点で、警戒されて以降の調査が難しくなることもあります。

探偵に依頼すれば必ず証拠が取れますか。

取れないことがあります。相手が外出しない期間だった、調査日に接触がなかった、といった理由で成果が出ない場合があるためです。国民生活センターのFAQにも、調査完了後に成果が不十分だとして返金を求める相談が掲載されています。契約前に、成果が出なかった場合の扱いを書面で確認してください。

調査していることが相手に知られませんか。

探偵業法第10条は、探偵業者とその従業者に対し、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと定めています。ただし、調査中に相手が気づく可能性がなくなるわけではありません。気づかれた場合にどう対応するかを、契約前の説明で聞いておいてください。

法律上の注意

この記事は、相手の行動を調べる手順を説明するものではありません。GPS機器の取り付け方や、相手のスマートフォンの中を見る方法は掲載していません。状況によっては法律に触れるおそれがあり、確かめたかっただけのつもりが、あなたが責任を問われる側になることがあります。個別の判断は弁護士にご相談ください。

相談だけでも大丈夫。契約前に書面での説明があります

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