浮気の写真は1枚で足りるのか|条文に定義がない以上、問われるのは何か

カテゴリ: 法律と探偵業法

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目次
  1. 問われているのは枚数ではない
  2. 1点だけの写真が弱い理由
  3. 説明の余地を狭める4つの要素
  4. 資料がそろっても、認められるとは限らない
  5. いま手元に1枚ある場合

枚数の基準は、条文のどこにも書かれていません。

民法第770条第1項第1号は、裁判上の離婚の事由として「配偶者に不貞な行為があったとき」と定めているだけで、「不貞な行為」が何を指すのかを定義していません。

したがって「写真は何枚必要ですか」に、一律の答えは存在しません。

ただし、それは答えられないという意味ではありません。何が問われるのかまでは示せます。この記事はそこを扱います。

問われているのは枚数ではない

問われているのは、手元の資料から不貞な行為があったと評価できるかです。

これを言い換えると、別の説明をどこまで排除できるかになります。

相手には、写真に写っている場面についての説明があります。仕事だった、友人だった、たまたま一緒になった。これらの説明が残っている限り、資料は決め手になりません。

枚数を増やすことに意味があるのは、それが説明の余地を狭める場合だけです。 同じ日の同じ場面を10枚撮っても、狭まりません。

1点だけの写真が弱い理由

具体的に見ていきます。

ある建物に2人で入っていく写真が1枚ある。この写真が示すのは、その時刻にその場所へ2人がいたことです。

ここから先は、示せていません。

写真が示すこと 写真が示していないこと
その日時にその場所にいた それ以前・以降にも会っていたか
2人が一緒に行動していた どういう関係にあったか
建物に入った どれくらい滞在したか

右の列が空いている限り、相手の説明が入る余地が残ります。

説明の余地を狭める4つの要素

では何があれば狭まるのか。実際に問われやすいのは次の4点です。

  1. 時間の幅 — 入った時刻と出た時刻の両方があるか
  2. 反復 — 同じ組み合わせが別の日にも記録されているか
  3. 場所の性質 — その場所で何が行われるのが通常か
  4. 人物の同定 — 写っている人物を別の材料で特定できるか

2番目の反復が、1点ものとの最も大きな違いです。 1日だけならその日の事情という説明が成り立ちますが、複数の日にわたって同じ相手と同じ場所へ向かっている記録は、その説明を立てにくくします。

この4点をそろえるには、時間を置いて複数回の確認が要ります。自分で撮った1枚が足りないと言われるのは、鮮明さの問題ではなく、この構造によるものです。

いま手元にあるもので足りるか相談する

資料がそろっても、認められるとは限らない

もう1つ、押さえておいてほしい条文があります。

第770条第2項は、第1号の事由がある場合であっても、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができると定めています。

つまり、資料をそろえることと、請求が認められることは同じではありません。

「決定的な写真さえあれば終わる」という前提で動くと、そこで止まることがあります。見通しについては、資料がそろう前の段階でも弁護士に相談できます。

いま手元に1枚ある場合

まず、その写真に手を加えないでください。 明るさを補正したり、必要な部分を切り出したりすると、撮影日時などの情報が失われることがあります。

そのうえで、相手に見せる前に立ち止まってください。見せた時点で、相手は説明を用意し、行動を変えます。 説明の余地を狭める作業が、そこから難しくなります。

何を追加すれば足りるのかは、いま何を持っているかによって変わります。依頼する場合に契約前へ確認できることを先に読んでおくと、相談の場で聞くことが決まります。

よくある質問

ホテルに入る写真と出る写真の両方があれば足りますか。

入る場面と出る場面がそろうと、滞在していた時間の幅を示せるようになります。ただし、それが1日だけの記録であれば、その日限りの事情という説明が残ります。何日分あればよいという基準は条文にないため、手元の資料で足りるかどうかは弁護士に確認してください。

顔がはっきり写っていません。

写っている人物が誰なのかを別の材料で結び付けられるかが問われます。同じ日の別の場面、車のナンバー、服装の一致といった要素が、その役割を果たすことがあります。1枚の鮮明さだけで決まるわけではありません。

相手が「仕事の打ち合わせだった」と言っています。

この説明を崩せるかどうかが、多くの場合の分かれ目になります。時間帯、滞在の長さ、場所の性質、同じ組み合わせが繰り返されているか。こうした要素が、別の説明の余地を狭めていきます。1点の資料では、この作業ができないことがあります。

写真があれば必ず離婚できますか。

民法第770条第2項は、第1号の事由がある場合であっても、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは離婚の請求を棄却できると定めています。資料がそろうことと、請求が認められることは同じではありません。見通しは弁護士にご確認ください。

法律上の注意

撮影の方法や、相手に気づかれずに撮る手順は掲載していません。この記事が扱うのは、撮れた写真が何を示せるかだけです。手元の写真をどう扱うかは、相手に見せる前に弁護士にご確認ください。

相談だけでも大丈夫。契約前に書面での説明があります

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