単身赴任は、婚姻生活を続ける前提で離れている状態です。関係の解消に向かう別居とは、そもそも文脈が違います。
そのうえで、確かめにくさには固有の事情があります。変化に気づくきっかけが、帰省時に限られることです。
気づきにくい理由
同居していれば、帰宅時刻や持ち物の変化が日々目に入ります。
単身赴任では、それが入ってきません。
その結果、次のことが起こります。
- 変化に気づくのが遅れる
- 気づいたときには、すでに時間が経っている
- 一方で、些細なことを深読みしやすくなる
3つ目に注意してください。 連絡が1日途切れただけで不安になり、確かめようがないまま考え続ける、という状態が起きやすくなります。
離れていること自体が、不安を大きくする要因になります。
記録できる3つの変化
離れているぶん、変化が数字に出やすいという面もあります。
| 手がかり | 記録の仕方 |
|---|---|
| 帰省の頻度と滞在時間 | いつ帰ってきて、いつ戻ったか |
| 連絡の回数と時間帯 | いつ、どの時間帯にやり取りしていたか |
| 生活費の使われ方 | 引き落としや振込の記録 |
いずれも日付が残ります。
同居している場合の「なんとなく雰囲気が変わった」より、後から見返しやすい形になっています。
思い出せる範囲で書き出してください。この作業には費用も法的な問題も生じません。
予告なく訪ねる前に
確かめたくなったとき、赴任先へ行くことを考える人がいます。
予告なく訪ねると、相手は疑われていることを知ります。
その時点から行動が変わるため、以降の確認は難しくなります。1回の訪問と引き換えに、その後の機会を失う形です。
加えて、相手が単独で借りている住まいであれば、立ち入り方によっては刑法第130条の住居侵入が問題になり得ます。会社が借り上げている住まいでも同じです。
詳しくは住居侵入になるのかで扱っています。
依頼する場合の準備
赴任先での調査は、移動が発生します。中央リサーチは諸経費の項目に高速代と宿泊代を挙げています。
そのため、稼働する日を絞れるかどうかが、費用に直結します。
依頼する前に、次を整理してください。
- 赴任先の所在地と、住まいの形態(単身用の借り上げ、寮、賃貸)
- 帰省の周期と、直近で変わった時期
- 休日の過ごし方について聞いている内容
- 勤務時間帯と、繁忙期がいつか
2番目と4番目が組み合わさると、稼働する日を絞れます。 帰省しない週末で、繁忙期を外れている日、という形です。
気をつけたい誤解
単身赴任のケースでよくあるのが、赴任先での孤独を過度に読み込むことです。
連絡が減った、帰省が減った、という変化には、仕事の状況という説明が付くことがあります。実際に繁忙期と重なっていた、という結果になる場合もあります。
書き出す作業は、それを確かめるためにも役立ちます。 変化した時期と、仕事の予定が分かっていれば重なりを見られます。
今日やること
帰省の日付を、思い出せる範囲で書き出してください。
いつ帰ってきて、いつ戻ったか。それだけで、頻度と滞在時間の変化が見えます。
書き出した結果、説明がつく変化ばかりだと分かる場合があります。そこで止めてもかまいません。
疑いが残る場合の進め方は調べるか調べないかの決め方にまとめています。
よくある質問
単身赴任は別居と同じ扱いですか。
同じではありません。単身赴任は仕事の都合で離れている状態で、婚姻生活を続ける前提があります。別居は関係の解消に向かう文脈で使われることが多い言葉です。ただし、実態としてどちらに当たるかは事情によるため、判断は弁護士にご確認ください。
何を手がかりにすればいいですか。
帰省の頻度と滞在時間の変化、連絡の回数や時間帯の変化、生活費の使われ方の変化です。いずれも日付とともに記録できます。離れているぶん、変化が数字に出やすい面があります。
赴任先へ行って確かめるべきですか。
予告なく訪ねると、相手は疑われていることを知ります。以降は行動が変わるため、確認は難しくなります。加えて、相手が単独で借りている住まいであれば、立ち入り方によっては住居侵入が問題になり得ます。
赴任先の調査は費用が高くなりますか。
移動と宿泊が発生する距離であれば、その分が加算されます。中央リサーチは諸経費の項目に高速代と宿泊代を挙げています。稼働する日を絞れるほど、この影響は小さくなります。
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法律上の注意
この記事は状況の整理の仕方を扱うものです。相手の行動を調べる手順は掲載していません。個別の判断は弁護士にご相談ください。