疑ったからといって、全員に調査が必要なわけではありません。
判断の基準は1つです。確かめた事実を、何に使うのか。
使い道がないなら、いま調べる必要はありません。順に見ていきます。
証拠が必要になる場合
次のいずれかに当てはまるとき、事実を示せる資料の有無で進み方が変わります。
- 離婚を考えているが、相手が応じない
- 慰謝料を請求したい
- 相手が事実を認めない
- 話し合いが進まない
- 親権や条件をめぐって争いになりそう
共通しているのは、相手または第三者に何かを示す必要があることです。
自分が納得するためだけなら、必ずしも資料の形にする必要はありません。
証拠がなくても困らない場合
一方、次の場合は事情が変わります。
- 離婚も請求も考えていない
- 相手がすでに認めており、条件でも争っていない
- 関係を終えることだけが目的(婚姻していない場合)
このとき、証拠は使い道がありません。
調査には費用がかかります。公開料金から出した目安では、証拠の取得まで進んだ場合の総額は30万円〜50万円台という記載が多くなっています。
使い道のない資料に、この金額をかける理由はありません。
見落とされやすい第3の理由
ただし、上の2つに当てはまらない場合があります。
事実がはっきりしないと、自分が次に進めないという場合です。
疑いを抱えたまま関係を続け、何年も考え続けることになる人がいます。これは法的な必要とは別に、実際にある事情です。
この理由で調べることは、間違っていません。 ただし、確かめた結果をどう扱うかを先に決めておいてください。知った後で関係を動かせなくなることがあります。
決めるための3つの問い
迷っている場合、次の順で考えてください。
- 確かめた事実を、誰かに示す必要があるか
- 示す必要がないとして、自分は知らないままでいられるか
- 知った後、どうしたいか
1番目がはいなら、調べる意味があります。
1番目がいいえで2番目もいいえなら、自分のために調べることになります。この場合も意味はありますが、3番目を先に決めてください。
1番目も2番目もいいえなら、いま調べる必要はありません。
迷っている間にできること
決められないまま時間が過ぎることを心配する人がいます。
期限について、1つだけ知っておいてください。
民法第159条は、夫婦の一方が他の一方に対して有する権利について、婚姻の解消の時から6か月を経過するまで時効は完成しないと定めています。
婚姻が続いている間、配偶者に対する請求の期限は進みません。
一方、相手方への請求は別です。第724条により、損害及び加害者を知った時から3年で時効にかかります。
つまり、誰に何を求めるつもりかで、急ぎ方が変わります。 詳しくは慰謝料の時効にまとめています。
迷う段階でも、期限だけは確認しておくと安全です。法テラスの制度を使える場合があります。
今日やること
上の3つの問いに、順番に答えてください。
答えが出なくてもかまいません。1番目で止まったなら、それはまだ使い道が決まっていないということです。
その場合は、費用と期間の目安だけ見ておいてください。判断の材料がそろってから決める順番でも、遅くはありません。
よくある質問
疑っているだけで、調べるのは大げさでしょうか。
大げさかどうかではなく、必要かどうかで決めてください。判断の基準は、確かめた事実を何に使うかです。使い道がない段階なら、まだ調べる時期ではないという結論もあり得ます。
調べないと決めた場合、どうすればいいですか。
記憶にあることを書き出して、そのまま持っていてください。後から必要になったときに、稼働する日時を絞る材料になります。書き出す作業自体には費用も法的な問題も生じません。
夫婦関係を続けたい場合でも、調べる意味はありますか。
あります。事実がはっきりしないまま続けると、疑いが残り続けることがあるためです。ただし、確かめた結果をどう扱うかを先に決めておかないと、知ったことで関係が動かせなくなる場合もあります。目的を先に置いてください。
迷っている間に手遅れになりませんか。
配偶者に対する請求については、民法第159条により婚姻の解消から6か月を経過するまで時効は完成しません。一方、相手方への請求には期限が進みます。どちらを考えているかで急ぎ方が変わるので、迷う段階でも期限だけは弁護士に確認しておくと安全です。
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法律上の注意
この記事は判断の枠組みを示すもので、調査を勧めるものではありません。ご自身のケースで何が必要かは、弁護士や届出のある事業者への相談で確認してください。