問い詰めると、その後の確認が難しくなります。
これが、聞くかどうかを判断するときの最大の材料です。勧めるわけでも止めるわけでもなく、何が起きるかを先に置きます。
問い詰めた後に起きること
相手の反応は、大きく2つに分かれます。ただし、どちらでも共通して起きることがあります。
相手は、あなたが疑っていることを知ります。
そこから先は、次のように変わります。
| 変わるもの | 具体的に |
|---|---|
| 会う頻度 | 減る、または間隔が空く |
| 連絡手段 | 別のアプリに移る、履歴を残さなくなる |
| 行動の時間帯 | 説明のつく時間に移す |
| 手元の記録 | やり取りが削除される |
元に戻すことはできません。 疑っていることを知らなかった状態には、二度と戻れません。
認めた場合も、終わりではない
「認めさせれば解決する」と考えている場合、ここは知っておいてください。
その場で認めたとしても、話し合いが金額や条件の段階に進むと、説明が変わることがあります。
「1回だけだった」が「そもそも関係はなかった」に変わる、という形です。口頭のやり取りだけでは、後から示す手立てが残りません。
民法第770条第1項第1号は「配偶者に不貞な行為があったとき」と定めていますが、条文に定義は置かれていません。 何をもってそう評価するかは、最終的に裁判所の判断になります。
つまり、相手が認めたという事実だけで話が確定するわけではありません。
聞く前に決めておく2つ
それでも聞くという判断はあり得ます。その場合、先に決めておいてほしいことがあります。
1つ目。認めたら、自分はどうしたいか。
離婚を考えるのか、関係を続けたいのか、決めていないのか。認められた瞬間に決めるのは、いちばん難しい状況です。
2つ目。否定されたら、そこで終えるのか。
否定された後も疑いが残るなら、聞くこと自体が状況を進めません。むしろ相手を警戒させた分、確認が難しくなります。
この2つが決まっていない状態で聞くと、返ってきた答えに振り回されます。
聞かないという選択
聞かずにいることは、我慢とは限りません。順番を選んでいるだけです。
先に事実を確かめてから話す場合、次のような違いが出ます。
- 相手の説明を聞いてから判断できる
- 認めた・否定したのどちらでも、こちらの前提が変わらない
- 話し合いの場を、自分の準備ができた時点に置ける
主導権がどちらにあるかが変わります。
ただし、確かめるには時間と費用がかかります。その間、疑いを抱えたまま過ごすことにもなります。どちらが楽かは、人によって違います。
費用と期間の目安はこちらの記事で確認できます。
先に優先することがある場合
1つだけ、判断の順序が変わる場合があります。
相手が逆上するおそれがあるときです。
暴力や脅迫の懸念があるなら、確かめることを優先しないでください。警察相談専用電話#9110で相談できます。お住まいの自治体の配偶者暴力相談支援センターも相談先になります。
身の安全は、事実の確認より先に来ます。
今日やること
聞くかどうかを決める前に、上の2つの問いに答えを出してください。
認めたらどうしたいか。否定されたら終えるのか。
紙に書く必要はありません。ただ、頭の中で答えが出ないなら、まだ聞く段階ではありません。答えが出るまでの間にできることは、記憶にあることを書き出す作業です。
よくある質問
問い詰めたら認めました。これで解決しますか。
その時点では認めていても、話し合いが金額や条件の段階に進むと説明が変わることがあります。認めている間に、その内容を後から確認できる形にしておけるかどうかを弁護士に相談してください。口頭のやり取りだけでは、後から立証する手立てが残りません。
否定されたら、どうすればいいですか。
否定された事実そのものは、状況を進めません。ただ、この時点で相手はあなたが疑っていることを知りました。以降は行動が変わる前提で考えることになります。確かめる必要が残るなら、方法を切り替える段階です。
聞かないでいるのがつらいです。
つらさを我慢し続ける必要はありません。ただ、聞くことが解決につながるかは別の問題です。聞いた後に自分がどうしたいかが決まっていないと、返ってきた答えに振り回されます。決めてから聞くほうが、負担は小さくなります。
相手が逆上しそうで怖いです。
その懸念があるなら、聞くことを優先しないでください。暴力や脅迫のおそれがある場合は、警察相談専用電話#9110で相談できます。お住まいの自治体の配偶者暴力相談支援センターも相談先になります。確かめることより、身の安全が先です。
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法律上の注意
この記事は判断の材料を示すもので、問い詰めることを勧めるものでも止めるものでもありません。暴力や脅迫のおそれがある場合は、警察相談専用電話#9110へご相談ください。