稼働が発生していれば、事実が確認できなくても費用は原則として発生します。
調査は、結果ではなく稼働に対して費用が生じる形が基本だからです。
この点を契約前に理解していないと、後から食い違います。実際、国民生活センターには調査完了後に成果が不十分だとして返金を求める相談が寄せられています。
なぜ費用が発生するのか
調査員が現場に出て、決められた時間だけ稼働する。この稼働そのものに費用がかかっています。
結果が出るかどうかは、対象者がその期間に動いたかどうかに左右されます。稼働した側で制御できる部分ではありません。
したがって、次のような場合でも費用は発生します。
- 対象者が期間中ほとんど外出しなかった
- 外出したが、誰とも会わなかった
- 会ったが、確認できる場面がなかった
「何も出なかった」の中身は、この3つに分かれます。 どれに当たるかで、次にすべきことが変わります。
成功報酬型の場合
「証拠が取れなければ0円」というプランを選んでいた場合でも、確認が必要です。
0円になるのが調査料金だけなのか、支払総額なのかで意味が変わります。
- 着手金を設定している場合、それは残ることがある
- 諸経費を別に設定している場合、経費は請求されることがある
そして、何をもって成功とするかの定義が問題になります。この点は成功報酬型の記事で扱いました。行動は記録できたが決定的な場面が撮れなかった、という状態の扱いが分かれます。
契約書と照らす
納得できない場合、まず探偵業法第8条により交付されている書面を出してください。
確認するのは次の3点です。
- 対価その他の費用 — 何に対していくら発生する契約だったか
- 探偵業務の内容 — 何日・何時間・何名の想定だったか
- 契約の解除に関する事項 — 途中で止めた場合の扱い
2番目と実際の稼働が食い違っていれば、そこが論点になります。
書面の記載と請求が合わない場合は、消費者ホットライン188へ相談できます。相談先の使い分けはこちらの記事にまとめています。
相手に伝える必要はない
費用とは別に、多くの人が悩む点があります。
疑ったことを相手に話す義務はありません。
確かめた結果を必ず開示しなければならない決まりもありません。話すかどうかは、関係をどうしたいかで決めてください。
- 話す — 隠していたことがなくなる。ただし疑われていた事実が相手を傷つけることがある
- 話さない — 関係はそのまま続く。ただし自分の中には残る
どちらが正しいという答えはありません。 ただ、話す場合は、疑うに至った経緯まで含めて説明する準備が要ります。
もう一度調べる前に
結果が出なかったからもう一度、と考える前に、整理してください。
なぜ出なかったのかが分からないまま繰り返すと、同じ結果になります。
| 出なかった理由 | 次にすべきこと |
|---|---|
| 稼働した日時が合っていなかった | 曜日・時間帯の想定を変える |
| 相手が警戒していた | 期間を空ける |
| そもそも事実がなかった | 重ねても変わらない |
3行目の可能性を最初に置いてください。
疑いが当たっていることを前提に回数を重ねると、費用だけが積み上がります。
この結果の受け取り方
何も出なかったという結果は、失敗ではありません。
確かめたという事実が残ります。 疑いを抱えたまま何年も過ごす状態と比べれば、状況は進んでいます。
そのうえで、疑いが完全に消えないのであれば、それは調査で解決する問題ではないかもしれません。疑い続けているのがつらいときで、別の選択肢を扱っています。
よくある質問
何も出なかったのに費用がかかるのは納得できません。
調査は結果ではなく稼働に対して費用が発生する形が基本です。ただし、契約前に交付される書面に、成果が出なかった場合の扱いが記載されているはずなので、その欄を確認してください。記載と実際の請求が食い違う場合は、消費者ホットライン188へ相談できます。
調査期間が短すぎたのではありませんか。
その可能性はあります。対象者が動かない期間だった、稼働する日時が合わなかった、といった理由で結果が出ないことがあります。契約時に何日・何時間を想定していたかを、書面と照らして確認してください。
疑ったことを相手に話すべきですか。
話す義務はありません。確かめた結果を必ず開示しなければならない決まりもありません。話すかどうかは、関係をどうしたいかで決めてください。話すことで安心を得られる場合もあれば、疑われていた事実が相手を傷つける場合もあります。
もう一度調べたほうがいいですか。
同じ方法を繰り返す前に、なぜ結果が出なかったのかを整理してください。稼働した日時が合っていなかったのか、そもそも事実がなかったのか。前者なら条件を変える意味がありますが、後者なら重ねても同じ結果になります。
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法律上の注意
この記事は費用の扱いと考え方を整理するもので、返金の可否を判断するものではありません。契約内容についての疑義は、契約書を手元に置いて消費者ホットライン188へご相談ください。